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西アフリカのマリ ドゴン・テラコッタ紡錘車ビーズ 多数の丸と縦線のドーム型

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西アフリカのマリ ドゴン・テラコッタ紡錘車ビーズ 多数の丸と縦線のドーム型

西アフリカのマリで、ドゴンの人々の居住地域から約200㌔南西にある、イスラム都市ジェンネなどでは、多くの紡錘車が作られてきました。このテラコッタ(素焼き土製)・ビーズには興味深い幾何学紋様が描かれています。  十数年ほど前に、ドゴンのバンディアガラなどを訪問したとき、ジェンネ郊外の店で手に入れました。  本品は、少し明るい茶色、土のような生壁色で、ドーム型の胎の側面は6つに区切られ、その1つにはやや細長い丸が縦に5段、横には順に上から増え下で5つが施されています。隣の区切りには、10ほどの縦線が削られ、これが3組施されています。ただ、丸部分1つが剥落しています。  胎の下側には横に2本の円が施され、さらに下側は短い縦線で飾られています。収穫した穀物入れの納屋を描いているようにも見えます。底は滑らかで中央に僅かに凹んでいます。  テラコッタの紡錘車は、マリが位置するニジェール・デルタ地域では11~12世紀から見られました。この時期に北アフリカやイスラムがデルタ地域に入り、棉を紡ぐために紡錘と紡錘車が生じたとされます。   ドゴンの人たちは、テラコッタの紡錘車を今日でも用いているようです。祭祀の家の外に紐で繫いだ紡錘車ビーズが、猫の皮と一緒に掛けられた写真もありますし、また、ドゴンの崖に建つ古い家に掛けてあったとの報告もあります。  ドゴンの神話では、紡錘車は地上に子孫を創った天上の鍛冶職人と関わり、紡錘車の回転は、赤い銅の螺旋を巻きつけた太陽を動かす力とされます。紡錘車の周りに巻かれ女の手から出ている糸は、人類の祖先が天上から地上に降りてくる細くて柔らかい糸を意味すると言われます。  なにか「蜘蛛の糸」を連想させる話ですが、この糸は人の再生に結びつくとされます。紡錘車が神話と関わるとすれば、祭祀の家の紡錘車も理解できるように思えます。  数百年前のよく整った装飾ビーズは、今日でも時折、発見することがあるとされますが、本品は、製作年代は判明しませんけれども、20世紀後半のものと思われます。本品は、ドゴンなどアフリカの文化を伝え、語りかけてくれます  サイズ 高さ 約20㍉ 幅 約25㍉、孔径 約5㍉

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